注目のデベロッパ

三日坊主が作った
習慣化アプリ

開発者・戸田大介さんが明かす「継続する技術」の作り方。

会社名: bondavi株式会社
創業者: 戸田大介
会社のミッション: 特別じゃない毎日を、少しずつ豊かに
チーム人数: 3人

多くのものごとにおいて重要かつ困難なのは、“はじめる”以上に、“つづける”こと。

ある程度の人生経験を重ねた人は、この一文に納得するのではないでしょうか。「継続する技術」という特徴的な名前のアプリは、この“つづける”を独自のアプローチでサポートしてくれます。その独自性とは、できるだけ簡単な目標設定で、その数も一つに絞っていること。小さな成功体験を積み重ねることで、継続する力が身に付くとの考えからです。

三日坊主な自分のために

「自分自身がかなりの三日坊主だったので、こんな自分でも続けられる習慣化アプリを、との思いで開発を始めました」

そのように動機を語るのは、bondavi株式会社CEOの戸田大介さんです。戸田さんは大学卒業後、広告関連企業に入社し、データアナリストとして勤務。その後、bondavi株式会社を立ち上げました。

「大学生の頃に、友人を集めてアプリ開発を始めました。卒業後、就職してからも個人の趣味としてアプリを開発を続け、それがあまりにも楽しくて、3年間の会社員生活のあと独立し、2018年7月にアプリ開発会社、bondaviを設立しました」

「継続する技術」のスクリーン。シンプルかつ機能的なデザインが特徴的です。

2016年に習慣化アプリ「継続する技術」を個人デベロッパとしてリリースした戸田さんは、会社設立後アプリ開発に専念。2018年には仕事・学習用集中アプリ「集中」をApp Storeで公開しました。代表作といえる「継続する技術」は、「自分が使いたいアプリを作る」ことを主軸として、どうすれば自分自身が継続できるかを徹底的に突き詰めたと語ります。

「当時、世の中にある習慣化アプリは目標をいくつも設定できるデザインのものしかありませんでした。これでは自分は絶対続かない自信があったので、目標は一つしかセットできないアプリにしました」

アプリでは習慣化に関するコラムを読むこともできます。

しかし、リリース直後の反応は芳しくなかったと苦笑まじりに振り返ります。

「自分なりの考えがあってデザインしたのですが、その意図がまったく伝わっておらず、『目標が一つしか登録できないなんて、技術力を疑う』など、酷評ばかりでした。でも、アプリを使ってくれた方にたくさんお話をお聞きして、アプリ内でのコミュニケーションやデザインを見直すと、徐々に『継続できた』という声が多くなっていきました」

海外展開の手応え

現在、 「継続する技術」は32か国語に対応し、海外でも多くのユーザーに使われています。特に海外ユーザーからの反応は開発の大きな励みになっていると戸田さんは言います。

「スペイン語圏の方にいただいた、『あなたのアプリにはとても美しい美学があるので、そのようなものをもっと作ってほしい』といった言葉が印象に残っています。自分なりに考えたことを、国や文化を超えて支持してくれる方がいると思うと、すごくうれしいですね。海外展開は想定以上に時間と労力がかかり、国内より悪戦苦闘していますが、それでも多言語対応をしてよかったと思いました」

アプリ開発者としての展望

「継続する技術」の今後については、“継続”に関する研究を重ねて開発にいかし、ユーザーの継続成功率を少しでも高めたいと戸田さん。アプリ開発者としては、変わらず「自分が使いたいアプリ」を作っていきたいと抱負を語ります。

「とても個人的な嗜好ですが、私は『その人の個性が見えるアプリ』がとても好きです。あぁ、この人はこれが作りたかったんだなと感じられるようなものを見ると、うれしくなります。これは、ビジネス的な成功率を上げる戦略ではなく、単なるものづくりのロマンのようなものですが」

「現在もデザインから開発まで、基本的に私一人で行っています。この体制はよくも悪くも、アプリに個人の癖が出る要因になっていると思いますが、会社を大きくするより、好きなものを自由に作れることを重視しているので、今後もこの体制で開発を続けていきたいです」