‣ 会社名: 株式会社ファーストシード
‣ 創業者: 大榎一司
‣ 会社のミッション: 今までにない新しい価値を持つソフトウェアを開発し、世界中の人々の生産性を高めることで社会に貢献する
‣ チーム人数: 5人
予定の見やすさ、入力のしやすさなど、「FirstSeed Calendar」 は、とにかく使う人の立場に立って、操作感にこだわって開発されています。また、ユーザーそれぞれの要望に応えるために、表示や操作などの細やかなカスタマイズ機能も用意されています。
2017年のリリース以来、定期的に進化とメンテナンスを続けているのが、株式会社ファーストシードの大榎一司さん率いる開発チームです。

開発のきっかけは、2015年頃、当時使っていたカレンダーアプリに満足できなかったことだと大榎さんは振り返ります。
「自分が考える最高のものを作ってみようと思いました。カレンダーアプリは、アプリそのものを使うことが本質ではなく、予定を確認したり、新しい予定を登録したりすることが目的なので、これらをなるべくすばやく行えるアプリを目指しました」
約1年をかけて一人地道に開発をしてリリースにこぎつけたものの、その後3年ほどは鳴かず飛ばずだったと苦笑します。
「他の会社の手伝いをしながら地道に改善していく日々を続けられたのは、自分が実際にアプリを毎日使っており、その便利さを日々実感できていたことが大きかったと思います。また、ユーザーからのフィードバックが少しずつ届くようになり、ほとんどがポシティブな内容だったので、方向性は間違っていないと思えました。困難に直面したときは、自分自身を信じられるだけのことをやってきたかどうかが大事だと思っています」

開発者であると同時に、ユーザーでもある自分自身にヒヤリングするように作り込まれた「FirstSeed Calendar」は、だからこそ使う側の視点が細部に活かされ、進化を続けています。
「ツール系のアプリは一見些細に見える違いでも、使い勝手に大きな差が出てきます。例えば、月カレンダーで翌月を表示する時に横にスクロールするか縦にスクロールするか、というのは操作としてはわずかな違いですが、ユーザーにとっては手になじむかどうかの大きな差となります。そのため、『FirstSeed Calendar』には細かいカスタマイズ可能なオプションが多く用意されており、様々な使い方に対応できるようにしました」
「また、新規予定を作成する際にタイトルの一部を入力すると、以前入力した予定をサジェスト(提案)する機能があるのですが、漢字変換しなくてもサジェスト機能が動作するように実装しています。例えば、“営業会議”という予定を再度入力したい場合、ひらがなで“え”と入力するだけでサジェストされるようになっており、このような細かい工夫の積み重ねでより優れた操作感を目指しています」

「FirstSeed Calendar」の開発体制
現在の開発チーム体制は、大榎さんを含めたエンジニア3名、デザイナー2名の計5名。エンジニアの一人は、元々「FirstSeed Calendar」のユーザーだったそうです。
「彼が大学院在学中に、弊社でインターンがしたいと連絡をくれました。当初はプログラミング経験が浅かったのですが、今ではiOS 17の新機能実装を担当できるまでに成長しました。『FirstSeed Calendar』がきっかけでエンジニアを志す若者が増えたということは大変うれしく、今後も人々に夢や目標を与えられるアプリを作り続けたいと思っています」
大榎さんたちチームは、さらに先を見据えて「FirstSeed Calendar」の改善、そして新たなアプリの開発を続けています。
「『FirstSeed Calendar』は、iOSやmacOSのメジャーアップデートに合わせて最新機能を取り入れ、より便利に使えるように進化させてきました。特にここ数年はロック画面ウィジェットやインタラクティブウィジェット、スタンバイ機能に対応し、アプリを開かずとも予定やリマインダーを確認できるようになりました。これからもOSの新機能を取り入れ、さらなる改善を目指します。
また、カレンダーアプリの開発で得た知見を活かし、タスク管理アプリの『FirstSeed Tasks』の開発にも力を入れていきたいと思っています。タスク管理の方法は実に様々で、一つのアプリですべての人のニーズを満たすのは難しいと考えています。そこで自分たちの理想を形にした『FirstSeed Tasks』を1年以上かけて開発し、2022年12月にリリースしました」

「『FirstSeed Tasks』の開発を通じて学んだことは、志を共有するチームメンバーと共に開発すると、自分の想像を超える成果が生まれるということです。『FirstSeed Calendar』は自分一人で作りましたが、『FirstSeed Tasks』はチーム全員の力を結集した結果、開発当初からは想像できないくらい優れたプロダクトになりました。デザインや体験を突き詰めて、無駄を省きつつ必要な機能を加える作業を繰り返し、結果としてApp Storeの『今日のアプリ』で“機能美の結晶”と評された時は本当にうれしかったです」
アプリ開発で一番難しいのは、技術力やデザイン力などではなく、誰にも負けない熱量を持って取り組める“何か”を見つけることかもしれません大榎一司さん
最後に、日々アプリ開発に取り組んでいるデベロッパたち、そして未来を担うデベロッパたちに向けて、大榎さんは自身の経験を踏まえて以下のようなメッセージを投げかけます。
「アプリ開発で一番難しいのは、技術力やデザイン力などではなく、誰にも負けない熱量を持って取り組める“何か”を見つけることかもしれません。自分はカレンダーやタスク管理アプリには人一倍こだわっていて、少しでも早く操作を完了させたい、少しでも無駄を省きたい、と思う気持ちがアプリ開発を続ける原動力になっています。また、その熱意を共有できる仲間を見つけることも大事だと思います。『FirstSeed Tasks』の開発ではチーム開発によって個々人が出せる結果よりも遥かに大きな成果を上げることができました。
アフリカのことわざに、“はやく行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければみんなで進め”というのがありますが、これからもメンバー全員の力を合わせて、より遠くを目指して進んでいきたいと思います」
