

幼い頃からのゲーム愛を
胸に創り続けるゲーム
ゲームに限らず、依頼された案件であっても、誰かに言われたから作るのではなく、本当に自分から楽しんで制作することで、いいものができると思っていますワンダーランドカザキリ Kiyoshi Hondaさん
App Storeでは、個人で、あるいは少人数で、ゲームやアプリを開発する数々のインディーズデベロッパが活躍しています。子どもの頃からゲームが大好きで、遊ぶだけでなく、いつかは自分でゲームを作りたい、という想いからインディーズデベロッパとなった、ワンダーランドカザキリのKiyoshi Hondaさんに話を伺いました。
仕事もゲーム制作も楽しみながら
Hondaさんは、ワンダーランドカザキリという会社の代表であり、ゲームもワンダーランドカザキリの名義でリリースしていますが、デザイン、3Dモデル制作、プログラミングから配信まで、ゲーム制作のほとんどの工程をほぼ1人で手かげています。ただ、社員の中に、ゲーム制作を手伝ってくれる人たちがいるそうです。
「例えば『ダンジョンに捧ぐ墓標』などの、インターネットで情報を共有する仕組みを持つタイトルでは、サーバーサイドの作り込みを、社内のサーバーエンジニアに助けてもらいました。また『BQM』では、チャレンジダンジョンなどの初期ダンジョンのデータ制作を手伝ってもらったり、デバッグのためにテストプレイしてもらったりもしています」

インディーズデベロッパとしてゲーム制作を始めたきっかけは、10年以上前に開発した「田中部長」というゲームでした。書類のはんこ欄に角度を合わせてきれいに押印するという単純なゲームでしたが、多くの人に遊んでもらい、「これはいける!」と感じたといいます。
「App Storeが登場したことで、自分が制作したものを世界へ簡単に流通させられるようになったことを実感しました」(Hondaさん)
以来、ウェブデザインなどの依頼を受けて開発・制作する仕事をしながら、ゲーム制作を続け、App Storeやその他のプラットフォームでゲームをリリースし続けてきました。
ワンダーランドカザキリのウェブサイトには、ゲーム制作について「自分たちが楽しいから作り、そして誰かに遊んでもらう。『楽しむ』は制作の原点と考え、自社のゲーム開発を続けています。」と書かれています。
「依頼された案件であっても誰かに言われたから作るのではなく、本当に自分から楽しんで制作していきたいという思いを理念として掲げています。つまらないと思って制作しても、いいものはできないと思っています」(Hondaさん)
そんなワンダーランドカザキリのゲームは、オールドゲーム、あるいはレトロゲームをほうふつとさせる、ピクセルアートで描かれた作品たちです。
組み立てるだけで作れるダンジョンゲーム
一方通行の床やジャンプ台、弓や大砲、そしてモンスターたち。様々なパーツを組み合わせてダンジョンを作り、世界に共有できるのが「BQM」こと“ブロッククエストメーカー”です。誰かが作ったダンジョンに挑戦するもよし、自分で作り込んだダンジョンを世界に公開してもよし。パーツを組み合わせるだけでゲームが作れます。

小学生のころからゲームが大好きだったというHondaさんは、いつか自分でゲームを作りたいという気持ちを持つ人がきっと多くいると考え、「プログラミングの知識がない人でも、簡単にゲームが作れる仕組みがあったらいいな」と、当時の自分のために、作りたい思いを形にできるゲームとして「BQM」を開発しました。
大好きなオールドゲームの要素を凝縮
「ダンジョンに捧ぐ墓標」は、潜入する度に形を変える、様々なトラップが待ち受けるダンジョンに挑むゲームです。何度も探索を繰り返し、徐々に自分を強化して、少しずつ深部を目指します。やり込み要素満載の、根気よく試行錯誤を続けるゲームが好きな人がじっくり楽しめるタイトルです。

本作は、ゲーム好きなHondaさんが、「とにかく自分の好きなゲームを作る」というコンセプトで制作したといいます。「子供のころから遊んできたゲーム体験の“好き”な部分を、これでもかと詰め込みました。クエスト、釣り、スキルシステム、アイテムコレクション、それに地味なレベルアップ作業や、隠された謎なども大好きなんです。実は宇宙のステージも隠されているので、ぜひ見つけてください」とHondaさん。オールドゲーム好きな自身が考え得る限りの、ゲーム体験の魅力を凝縮しています。
ゲームイベントでの交流も楽しむ
ワンダーランドカザキリのゲームは、それぞれ名前は違うものの、シリーズもののような位置づけで制作しているとHondaさん。自分自身のゲーム体験を元に、オールドゲームにあった、箱や爆弾、飛んでくる弓矢など、古典的なゲームギミックを盛り込みつつ、新しい技術や視点も取り入れています。「一見ピクセルアート風に見えるゲームも、実は3Dのポリゴンでできていて、裏では物理演算などが動いている、といった体験を盛り込んだりしています」とHondaさんは話します。
同社のゲームに興味を持ったなら、ぜひインディーズゲームのイベントにも足を運んでみてください。ワンダーランドカザキリは、国内の様々なゲームイベントに頻繁に出展しています。

「App Storeなどを通して、世界中にゲームを配信できるのはとても便利ですが、目の前で自分の制作物をプレイしてもらって感想をいただいたり、遊んでくださるみなさんと直接お話ししたりできることが何より楽しく、もしかしたらイベントに出展するためにゲームを作っているじゃないか、と思うことがあるくらいゲームイベントは大好きなんです。直接意見をいただいたり、初見のプレイヤーの新鮮なプレイを間近で見られたりするのは、ゲームを作る上でとてもよい経験です。
また、インディーズデベロッパにとって、制作したタイトルの広報はとても難しいものなので、イベントに出展することがとてもよい広告宣伝になると考えています」(Hondaさん)
最後にHondaさんに、これからのワンダーランドカザキリのゲーム制作について聞くと、このように応えてくださいました。
「1人で制作しているので、順番にはなりますが、様々なプラットフォームでゲームを出していきたいと思っています。作ったゲームは少しでも多くの方々に遊んでいただきたいので、マルチプラットフォーム展開は常に意識しています。現在開発中の、見えていないものは存在しなくなる、という理屈で、マップを回転させ、様々な方向からステージを眺めて謎を解くゲーム『CASSETTE BOY』にも、ぜひご期待ください。」