‣ 会社名: ミッドナイトブレックファスト株式会社
‣ 創業者: 現・代表の喜多紀正を含む複数名
‣ 会社のミッション: 楽しくわくわくするデジタル体験を創造する
‣ 従業員数: 正社員4名
「満足」「ワクワク」「穏やか」「疲れた」など、その時の感情に近いものを選び、率直な気持ちを書き記して自分と向き合う。「muute(ミュート)」は、“ジャーナリング(書く瞑想)”に手軽に取り組めるアプリです。
「muute」でジャーナリングを続けると、日々の感情の起伏がグラフとして可視化されるとともに、入力した内容をアプリが分析して、週や月ごとのレポートを届けてくれます。自分の思考や状況などを客観的にとらえて、気持ちの安寧やストレスの低減をサポートしてくれるのです。

この「muute」を開発するのが、ミッドナイトブレックファスト株式会社代表の喜多紀正さん率いるチームです。2019年頃、デザインリサーチとしてZ世代をターゲットとしたヒヤリングを行ったところ、ある課題が見えてきたと振り返ります。
「多くの方々が、“自分らしく生きたいけれど、自分について良くわからない”という問題意識というか、違和感のようなものを持っていることが見えてきました。ここにアプローチする方法として、ジャーナリングというセルフケアの手法を手軽なアプリで提供できれば有効なのではと考え、『muute』の開発がスタートしました」

当時は他に類例のないアプリだったため、開発は文字どおり暗中模索だったと喜多さんは語ります。
「感情日記や認知行動療法のようなものもありましたが、『muute』のようにAIがフィードバックを行うアプリは国内外でもほとんどなかったので、どのようなフィードバックが効果的で、心地よいのかなど多くの論点を考えなければならなかったことが大変でした。また、ソーシャルネットワークのような型があるサービスではないので、UX(ユーザー体験)全体をゼロから考える必要がありました。ローンチから2年ほどが経ちますが、現在もまだ道半ばで、日々試行錯誤しながら開発しています」
手探りで開発を続けているなか、ある出来事が喜多さんたち開発チームを後押ししてくれたと言います。
「ベータ版のユーザーインタビューで、『muute』が明日なくなったらどう思いますかという質問に対して、いろいろ日記アプリを試してきたけど、やっとピタッとくるアプリに出会えたのでなくならないでほしいと言ってくれた人がいて、『muute』の価値を確信できました」

現在の開発チームは、デザイナー、エンジニア、クリエイティブディレクター、ビジネスデザイナーなど、外部スタッフ含め専門スキルを持った十数人。チームが大切にしていることは何かと伺うと、何より“ユーザーの声”だと即答します。
「初期の段階からユーザーインタビューを頻繁に実施してプロダクトに反映させています。リリースまでもアルファ版、ベータ版、リリース版のような形で数か月単位で少しずつバージョンアップさせ、ユーザー検証を定量的かつ定性的に行いながら開発してきました。開発のプランニングは綿密に行いますが、何よりユーザーの声を聞くことを重視し、日々ユーザーの声を反映してフレキシブルに開発を進めています」
何よりユーザーの声を聞くことを重視し、日々ユーザーの声を反映してフレキシブルに開発を進めています。喜多紀正さん
2023年11月のアップデートでは、iOSの「ヘルスケア」アプリと連携して睡眠や運動などのデータを「muute」に取り込み、感情の変化と比較することが可能になりました。今後も、ユーザーが自己理解を深められるような機能を開発していきたいと喜多さんは意気込みます。
「プロダクトとしては“感情のプラットフォーム”になるために、行動、生体などに関する多様なデータとの連携を行い、自己理解がより多面的にできると面白いと考えています。多くの人が、自分に最適なメンタルセルフケア方法を見つけて習慣化すること。そのための一つの選択肢として、『muute』が機能していければうれしいです」

最後に、現在アプリ開発に従事、また未来を担うデベロッパたちに向けて、喜多さんは以下のようなメッセージを投げかけます。
「『muute』の開発チームは少人数ですが、今では100万人以上の方にダウンロードして使っていただいていて、そのインパクトに驚いています。小さなチームだからこそ、自由度高くできるユニークなビジョンやプロダクトがあると思います。新しく、楽しい、わくわくするプロダクトを一緒に作っていきましょう」